日本と同じ島国のフィリピンは、南部の一部を除いてキリスト教のカトリックの国のため、アルコールには寛容的です。サンミゲルビールはフィリピンを代表するビールとして日本や香港に輸出されています。またリゾートの島セブ島や高原の町バギオ、マニラの都市部ではクラフトビールのお店があり、個性豊かな様々なビールが味わえます。ただ2013年に創立され2019年まで稼働していたCebu Brewing Companyが閉鎖するなど、コロナ禍の影響やライバル店の進出などがあり、店が変わることもしばしば。今回はフィリピンで伝統的な地域の地ビールと新しく登場したクラフトビールについて、特に厳選を重ねた編集部お勧めのビールをご紹介していきたいと思います。
他の国のビールも気になる方は、「タイで有名なおすすめのビール」や「ベトナムで有名なおすすめのビール15選」もご覧ください!
・ビールが好きでできるだけローカルビールが飲みたい方
・その場で作っているクラフトビールを飲みたい方
・マニラやセブ島などで生活しているけれど、あまり地元のビールを飲んだことのない方
目次
サンミゲル
サンミゲルはフィリピンを代表するビールです。1890年に設立され、当時の宗主国スペインの王室の許可を経て醸造が開始されました。1914年には早くも海外への輸出が始まっており、フィリピンの他にも香港や中国、ベトナムやタイなどの東南アジアでも飲めるビールとして人気があります。現在は世界60か国以上に輸出しています。もちろん日本でも入手可能で、1972年から輸出が始まっています。またキリンビールとの関係も深く、サンミゲルビールの株式の50%を取得したという経緯があります。サンミゲルビールは2011年時点でフィリピンの国内ビール販売の 88%を占めるほど圧倒的な存在で、いろんな種類のビールを販売しています。いちばん人気は軽いタッチのサンミゲルライトで、非常に飲みやすくておいしいビール。かつてのオーソドックスなビールだったサンミゲルピルゼンに代わってスタンダードになりつつあります。その他にもポップをしっかりと聞かせてゆっくりと味わいたいサンミゲルプレミアムや日本のビールを意識したようなサンミゲルスーパードライ、度数を3%におさえたサンミゲルZEROやアップル風味やレモン風味を聞かせたものなど多種多様です。フィリピン国内なら基本的にどこでも手に入ります。マニラの庶民的な店では大瓶サイズも提供されています。
セルベッサネグラ
セルベッサネグラは、サンミゲルが出している黒ビール、ダークラガーです。ローストしたモルトを使って醸造しているのでキャラメルのようなアロマが立ち込め、泡はクリーミー、更に口に含めば香ばしさを伴った豊かな味わいが楽しめます。サンミゲル同様日本でも輸出されていますが、現地ではサンミゲル同様、安い価格で楽しめるようになっています。同じ黒でもローストした大麦を使った上面発酵のスタウトビールと比べてあっさりして飲みやすいです。スーパーやコンビニで手に入りますが、あまり黒ビールに対する需要が少ないためか飲食店ではおいていない店も多いので注意しましょう。
レッドホース
レッドホースは、サンミゲルが出しているビールの銘柄のひとつで、特徴としてはアルコール度数の高さです。ピルスナースタイルで見た目は一般的な黄金色のビールと同じですが、アルコール度数が8%と高め。赤いラベルと馬をかたどったのが特徴です。味わいはアルコールの高さとは裏腹にさっぱりとしているためか発泡酒のようとも評されます。ただ現地の人たちにとって、あまり味の濃いビールより特徴がない代わりにアルコール度数の高いレッドホースの人気は高く、スーパーやコンビニ、多くの飲食店で取り扱われています。
コルト45
コルト45はサンミゲル系列ではないビールです。元々は1963年にNational Brewing社によって販売が開始されました。現在はフィリピン華人が経営するLTグループに属するアジア醸造所で作られているビールです。ラグナ州カブヤオのビール醸造所で、本物の男性のための強いビールとして45口径の自動拳銃「コルト45」の名前のビールを生産しています。ちなみにラベルの左下にある蹴っている馬と蹄鉄のデザインは、コルト45の前のビールのものを引き継いでいるそうです。コルト45はアルコール度数7%のストロングビールで、味わいには甘みがあり後味の余韻が残ります。ただ全体としてはあっさり目に作られています。スーパーやコンビニで手に入ります。
ブリューケトル
ブリューケトルはアジア醸造所で製造販売されているビールです。通常の原料に加えオレンジピールやライム・スパイス・ペッパーなどが入った、ベルジャンスタイルの白ビールです。日本にも2016年ごろから輸入されるようになりました。アルコール度数は5.3%で、オレンジのような爽やかでフルーティな風味が特徴で通常のビールとは違った味わいです。ホップの苦みが苦手な人にもおすすめ。スーパーやコンビニで入手可能です。
Tap Station 1313 Adriatico
Tap Station 1313 Adriaticoマニラリサール公園の南側で、裁判所など政府機関の建物が集まっているエリアにあります。欧米人の観光客が集まるクラフトビールに特化したパブで、30年近い醸造の経験があるそうです。12種類のタップ(生ビール)が用意されています。クラフトビールの料金はやや高めですが、午後3時から7時まではハッピーアワーのため、通常価格の半額でビールが飲めます。また番号を書いた抽選券が配られることがあり、それに当たればルーレットを回せます。難点あるとすればそれほど店が大きくない点。飲める場所への行き方はUnited Nations駅から海側方面に歩き徒歩10分です。
住所:1313 M. Adriatico St, Ermita, Manila, 1000 Metro Manila, フィリピン
URL:facebook.com
Turning Wheels Craft Brewery
Turning Wheels Craft Breweryは、セブ島にあるクラフトビールです。セブ島で初めて醸造されたマイクロブルワリーレストランで、アルコール度数が7%あるウエストコーストIPAや9%の度数があるインペリアルスタウトなど10種類のビアスタイルのビールが堪能できます。ただし常時すべての種類があるわけではありません。ビールにはそれぞれオリジナルの名前がついています。店内はコンテナを改良した造りとなっています。ビールだけでなく、料理にもこだわりがあり質の高い肉を使ったハンバーガーがおすすめです。場所はセブのフェリーターミナルの北側マボロ地区にあります。
住所:P. Almendras St, Cebu City, 6000 Cebu, フィリピン
URL:turningwheelsbeer.com
Baguio Craft Brewery
Baguio Craft Breweryはルソン島の北側、高地バギオにあるクラフトビールの醸造所です。いろんなクラフトビールがありますが、ぜひ飲んでおきたいのはイチゴなどのフルーツビール。個性的な味わいですがグイグイ飲めると評判です。そのほかにも正統派のHazy IPAなどもあるので、クラフトビーフファンには天国のような場所。醸造レストランは高台にあるので見下ろせる風景も最高です。料理もフライをはじめいろいろあってビールと合わせながら楽しいひと時が過ごせます。バギオに観光に来るなら一押しのビアパブです。
以上、フィリピンでおすすめする地ビール・クラフトビールをご紹介させていただきました。興味のある方は、是非お試しください。フィリピンのことをもっと知りたい場合には、「マニラでおすすめの高級5つ星ホテル5選」もご覧ください!
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