ベトナムを代表する人気の陶器村、バッチャン焼きを買いにバッチャン村へ!

 陶器のバッチャン(Bát Tràng)焼きは、ベトナム土産の定番です。バッチャン焼きを製造しているバッチャン村はハノイ市からタクシーで30~40分程度で行けるほか、ハノイからの日帰りツアーも多くあるため、ハノイ観光とセットで回る人が多くいます。村では陶器ショッピングはもちろん、工房見学もできます。

 ここではハノイ市に来たら必ず立ち寄りたい、バッチャン村とその陶器をご紹介します。

この記事はこんな方におすすめ

バッチャン焼きを工房で直接見て購入したい方
ハノイ市から日帰りで行ける観光地を探している方
ベトナムの陶器に興味があり、製作過程を見てみたい方

バッチャン村とは

 ハノイ市旧市街にある土産屋やレストランに行くと、トンボやハス模様の陶器をよく見かけます。これが昔ながらの代表的なバッチャン焼きです。

 このバッチャン焼きを作る工房が密集する地域が、バッチャン村です。村にはさまざまな工房や陶器店が建ち並び、自由に見学して回れます。またバッチャン村や陶器の歴史を知ることができる史跡もいくつかあります。

 バッチャン村では古くから陶器が作られていましたが、盛んになったのは15世紀頃からと言われています。この頃はバッチャン焼きがベトナムの皇帝はもちろん、中国へも献上されていたほか、貿易によって日本にも伝わりました。日本では「安南焼き」として、とくに茶人に愛されていたといいます。

 こうした経緯もあり、日本にも愛好家が多いバッチャン焼きです。村に行けば、ハノイ市のセレクトショップよりもたくさんの種類の陶器がそろっているとあり、陶器好きの人や茶道を趣味とする人には、とくにおすすめです。また観光客向けに陶器作り体験ができる工房もあり、家族連れにも人気です。

 1点、バッチャン村で気を付けるべき点といえば、村にはカフェやレストランがあまりないという点です。村を訪れる前後に食事の計画を入れ、水は持参するようにしましょう。


 工房のなかで作業をしている様子


 作りかけの陶器


 ろくろを回す職人


 絵付けに使う絵具

バッチャン村の史跡を訪ねよう

 陶器ショッピングが楽しいバッチャン村ですが、ここまで来たからには歴史を感じられる場所も見ておきたいもの。その代表格が妊婦窯です。

 これはバッチャン村に唯一残る登り窯で、盛り上がった丸みのある形が妊婦のお腹に似ていることから「妊婦窯」と呼ばれているそうです。現在は多くの工房でガス窯を使っており、この妊婦窯が使われることはありません。妊婦窯を横からのぞいてみると、中の様子がよく見えます。とても広々としていて、一度にたくさんの陶器制作をしていたことがうかがえます。

 バッチャン村の路地の一部では、泥炭をはり付けた壁を見ることもできます。この泥炭は、窯の中を温度に保ってくれるということで、昔はよく使われていたようです。今も少数派ながら、泥炭を使って焼く職人がいるもよう。職人の方の努力によって伝統的な焼成法も維持されているのです。

◆妊婦窯
住所:Xom 3, Bat Trang

伝統的なバッチャン、ニューバッチャン

 最初にバッチャン焼きは、トンボやハスなどの模様が描かれた素朴な陶器だと書きました。厚みも割とあり、持ち上げるとやや重みを感じます。素朴ながら温かみ、親しみを感じさせる陶器なのです。

 しかし最近は、薄くて軽く、モダンな形と模様で、電子レンジにも対応するバッチャン焼き「ニューバッチャン」も増えてきました。そのデザインは非常におしゃれかつユニーク。職人の世代交代で、バッチャン焼きにも新しい波が訪れているようです。

 陶器の形、模様は工房によりさまざまです。村の約9割が陶器関連の事業に携わっているということなので、ぶらぶら歩いてみるだけでも、あらゆる陶器店や工房に巡り合えます。自分のお気に入りの工房を見つけてみるのも、バッチャン旅行の楽しみです。

作業風景を見る、陶器作り体験をする

 せっかくバッチャン村に来たのなら、職人の作業風景も見てみたいものです。そこでおすすめなのが、「バッチャン・コンサーベーション(Bat Trang Conservation)」です。

 一件、大規模な陶器店ですが、上階は工房になっていて見学も可能です。成形、絵付け、焼成といった一通りの作業が行われています。大きなガス窯もあり、作業の進み具合によってはここに陶器を出し入れする場面も見られます。また陶器作り体験も提供しているので、希望の人は店の人に声をかけてみましょう。

 見学後は、もちろん、お店で陶器ショッピングを楽しみましょう。

 このほか陶器作り体験は、村の各所でも行っています。ろくろなどが設置されている場所を見つけたら、店の人に声をかけてみましょう。観光客が多い村だけに、店の人も外国人慣れしています。

◆バッチャン・コンサーベーション
住所:67, Xom 6, Giang Cao


 バッチャン・コンサーベーションで絵付けをする職人

おすすめの店

 さまざまな店があるバッチャン村ですが、なかでもいくつかのお店をピックアップしてご紹介します。

◆バッチャン村陶器市場
 バッチャン村バス停の近くにある陶器市場で、多くの観光客が足を運ぶ基本の観光コースです。皿やカップ、壺、箸置きなど、ありとあらゆるバッチャン焼きが一堂に会しており、ゆっくり見て回れば1時間近くを要します。

◆LC Home
 ニューバッチャンの代表格ともいえる人気店です。ハノイ市内でも同店の陶器を扱っている土産店は多いですが、ここにはさらに多くの種類があります。使いやすさと洗練を兼ね備えた食器の数々は、食卓やお茶のひとときを楽しいものにしてくれること間違いありません。
住所:18, Xom 5

◆デリシャス・セラミック
 こぢんまりとした工房のあちらこちらに、ユニークなバッチャン焼きが並べられています。陶器には葉笠をかぶったベトナム人女性の絵柄が多く、モダンながらもちょっとレトロな雰囲気も感じられます。
住所:77 Giang Cao, Xom 5

◆オリベリー・コーヒー(ORIBERRY Coffee)
 土産店ではありませんが、ハノイ市内でバッチャン焼きを扱う店として、また美味しいフェアトレードのコーヒーを飲める店として定番のカフェです。カップだけでなく、陶器のドリッパーの種類も多いのが特徴。

まとめ

 バッチャン焼きは基本的に手作りで、絵も手書きです。そのため1つ1つの器に温かみがあり、微妙に異なる表情を見せる点が、時を超えて愛される理由の1つです。
 ここで紹介した以外にも、もちろんさまざまな工房がバッチャン村にはあります。路地を歩きながら工房を回って、自分のお気に入りの陶器を探してみましょう。

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キャリアリンク編集部
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