連なる山々と少数民族が織りなす壮大な風景、ベトナム北端のハザンを巡る感動の旅へ!

 ハザン省は、ベトナム北部にある中国と国境を接する山岳地帯です。突き出したような山が折り重なるように連なる険しい地形と、美しい民族衣装を着た少数民族で有名です。また旧正月のテト前後に咲くそばの花、黄金に輝く棚田も有名で、季節には撮影のために訪れる観光客も多くいます。

 ここではベトナム最北端の山岳の観光地、ハザン省をご紹介します。

この記事はこんな方におすすめ

ベトナム最北端の地に立ってみたい方
ベトナムのパンフレットによく登場する棚田を見てみたい方
雄大な自然を、観光客の多くないところで楽しみたい方

ハザン省とは

 ハザン省はハノイ市から約300キロメートル離れたところにある山岳地帯で、北側は中国に接しています。非常に険しい地形を利用した棚田は、ベトナムのパンフレットによく登場します。

 これら棚田を管理しているのが、地元に住む少数民族です。ベトナムには53の少数民族がいるそうですが、ハザン省で見るのはおもにモン族、タイ族、ザオ族、ロロ族などで、それぞれ異なる民族衣装を着ています。それは時にカラフル、時にシックで非常におしゃれで美しいのが特徴です。

 ハザン省といえば10月頃に咲くそばの花でも有名です。ピンク色の華憐な花が群生する様子は必ず写真に撮っておきたい光景です。

 それぞれの見どころが離れているのと、山岳地帯で現地にあまりタクシーなどがないこと、ハノイ市から車で片道約7時間と遠いこともあり、観光客はほかの都市に比べてそれほど多くありません。旅行会社のツアーで行くのが一般的です。

雄大な自然を満喫

 そこここから顔を出す尖った三角形の山々、ごつごつした岩。独特のカルスト地形が織りなす雄大な風景が、ハザン省最大の特徴です。ベトナムでは北部のニンビン省やハロン湾でもカルスト地形が見られるのですが、ハザン省の自然の雄大さ、壮観さは格別です。こうした特徴が著しい地形を持つドンバン(Đồng Văn)地域は、ユネスコ世界地質遺産に登録されています。

 ちなみにドンバン旧市街まで降りていくと、宿やカフェ、レストラン、土産店が多く立ち並び、にぎやかになります。ここはフランス軍の駐留地だったため、一部にフランス風の建物も残っています。ハザン旅行の拠点とするのに最適です。

 山岳地帯らしく、山道ならではの曲がりくねった道路が多くみられます。そしてこの道路を、わらや作物などを入れたカゴを背負って歩く人たちをよく見かけます。見ると女性は色鮮やかな、独特の美しい衣装を着ています。ここに住む少数民族です。

 ハザン省には少数民族の村が点在しています。興味のある人はツアー会社に言えば、さまざまな村を見て回ることもできます。村では少数民族の家や日常生活を見てまわることができ、非常に興味深い体験になります。

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 ドンバン旧市街の様子

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 昔ながらの生活を送る少数民族の村

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 運が良ければ少数民族の結婚式に出くわすことも

ここは絶対おさえたい!おもな見どころ

 ハザン省に行ったら、少なくともここだけはおさえておきたいという観光地をご紹介します。

・ベトナム最北端の地:ルンクー(Lũng Cú)旗の塔
 せっかくハザン省まで来たなら、ベトナム最北端の地に行ってみましょう。それが「ルンクー旗の塔」です。ベトナム国旗が立つ塔は小高い丘の上にあり、中国側まで見渡せる様子から、最北端にきたことが実感できます。

・渓谷を見下ろす絶景スポット:マーピーレン(Mả Pí Lèng)の渓谷
 えぐられたような山と山の間を川が流れる絵画のような光景が、高台から眺められます。約1,500メートルから見下ろす、まるで吸い込まれそうな雄大な絶景です。ここに至るまでの道路は、少数民族の若者たちが、時に犠牲者を出す非常に過酷な工事を行うことで開通しました。付近にこの工事の記録を展示した小さな博物館も建っています。

・渓谷の川下り:ニョークエ(Nho Quế)川の遊覧
 マーピーレン渓谷から見下ろす川が、ニョークエ川です。ここの岸から遊覧船が出ており、川下りを楽しむことができます。切り立った山の間を抜けるクルーズに乗ると、渓谷を下から見上げられます。上から見下ろすのと同様、こちらも迫力満点です。

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 マーピーレンの渓谷。下に見下ろすのがニョークエ川

 自然豊かなハザン省は、季節ごとに美しく色づきます。可能なら、棚田や花が一番美しく変貌する時期に行ってみると感動もひとしおです。

・パンフレットでもおなじみ:ホアンスーフィー(Hoàng Su Phì)の棚田
 小~中規模の棚田ならハザン省のあちらこちらで見られますが、まとまった棚田群を見たいならホアンスーフィーがおすすめです。険しい斜面に、折り重なるように広がる棚田群は絶景の一言。ハザン省随一の写真スポットでもあります。稲が育ち棚田が黄金色に輝く8~10月頃はとくにおすすめです。

・岩間をピンク色に染める:そばの花
 ハザン省と言えば、そばの花が群生することでも有名です。季節は10~11月頃となります。そばの花1つ1つは小さいのですが、これが群生すると辺り一面がピンク色に染まり、険しい岩とコントラストをなす絶景となります。そばといえば日本では麺やお茶ですが、ハザン省ではパンにして食べるようです。観光客向けに路上でパンを焼いている人がいるので、一度賞味してみましょう。

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 群生して辺りをピンク色に染めるそばの花

時間があるなら回りたい!その他の観光地

・モン族の王様の邸宅
 この地を支配していたと言われる、モン族の王様の邸宅が残っています。周辺はケシの栽培が盛んで、これをアヘンに加工し取引をして財を成したそうです。非常に大きくしっかりとした造りの邸宅内は、自由に見て回ることができます。ケシの花を装飾としてあしらった柱などもあります。

・パオの家
 モン族の少女を描いたベトナム映画「パオの家」の撮影に使われた家です。この映画は日本でも上映されました。こぢんまりとした、でも風情ある家の構えは写真スポットとして人気です。またこの「パオの家」の周辺でもそばの花畑が見られるほか、そばパンを販売する人もいます。

まとめ

 ハノイ市から遠いということで、なかなかハザン省まで足を運ぶ観光客はいません。しかし一度行ってみると、日常を忘れさせてくれる壮大な自然風景に感動し、時間をかけて来た意義があると感じられることは間違いありません。

 自然が好き、地方観光が好きという方にはとくにおすすめです。素朴な美しさが感じられるハザン省に、ぜひ足を運んでみてください。

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キャリアリンク編集部
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