カンボジアの工業団地

カンボジア工業団地は近隣のASEAN諸国と比べると数は少ないものの、南部経済回廊があることから今後の発展を期待されています。また西隣のタイの発展によるタイ・プラスワンの影響からも工業団地が増加していくと予想されます。

 

■カンボジアにおける主要な工業団地

 

○プノンペン

カンボジアの首都であるプノンペンは、カンボジアの行政や文化、経済の中心地となっており、フランス植民地時代の美しい街並が残っていることから東洋のパリとも呼ばれています。またプノンペンにはカンボジア国王一家が住んでおり王宮もあります。

 

・プノンペン経済特区(PPSEZ)

 プノンペン国際空港より約8kmプノンペン中心部より約18kmの所にあるプノンペン経済特区はカンボジアの首都プノンペンにある代表的な工業団地で、カンボジアでは先駆けとなる経済特区です。プノンペンはメコン地域を結ぶ南部経済回廊(タイ バンコク・アランプラテート、カンボジア ポイペト・プノンペン・バベット、ベトナム モクバイ・ホーチミン)の中心に位置しているため、日系企業の進出が増加しています。

 

○スヴァイリエン州

スヴァイリエン州はカンボジアの南東部、ベトナムとの国境に位置しています。そのため、3つの国際国境があり、中でもスヴァイリエン中心部より東へ約40kmのところにあるバベット国際国境はたくさんの観光客で賑わっています。それはホーチミン市とプノンペンを結ぶ定期バスが数多く運行されていることによります。

 

・マンハッタン経済特区(MSEZ)

プノンペン中心部より約160km離れたところにあるマンハッタン経済特区は台湾系資本により運営されている工業団地です。国際国境のあるバベットにあるため、国際空港はプノンペン国際空港よりもベトナムのホーチミンにるタンソンニャット空港のほうが近い。またホーチミン港へのアクセスも容易なため、日系企業の進出も増加傾向にあります。


・タイセン バベット経済特区(TSBSEZ)

プノンペン中心部より南東へ約161kmのところにあるタイセン バベット経済特区はマンハッタン経済特区同様にベトナム(ホーチミン)への往来が容易という地の利を生かして日系企業の進出が増加している工業団地の一つです。

 

○シハヌークビル

カンボジア南部に位置するタイランド湾に面した港湾都市です。港湾都市なので、経済特区や工業団地がありますが、近年はリゾート地としても脚光を浴びています。

またシハヌークと聞いてピンと来る方も居ると思いますが、このシハヌークというのは前国王であるノロドム・シハヌークにちなんで名付けられました。

 

・シハヌークビル経済特区1&2(SSEZ)

 シハヌークビル国際空港より約3kmプノンペンより約220kmに位置する中国系の工業団地です。港からは約12km離れた内陸にあります。

 

・シハヌークビル港経済特区(SPSEZ)

シハヌークビル国際空港より約15kmプノンペンより約230kmに位置するシアヌークビル港経済特区は日本のODAによって建設されている工業団地です。隣接するシハヌークビル港は、カンボジア唯一の深海港を有しています。


○バンテイメンチェイ州

バンテイメンチェイ州はカンボジア北西部、タイとの国境があります。国境のあるポイペトは州都であるシンソポンから西に約30kmです。

 

・ポイペト経済特区(PPSEZ)

カンボジア北西部ポイペトに位置しており、タイとの国境からは約10kmのところにあります。タイ国境付近という地の利を生かして、タイにあるレムチャバン港を利用した輸出入が可能なため、今後の発展が期待されています。

 

※SEZとは、Special Economic Zone(経済特区)のイニシャルです。また国の投資や輸出関連産業の拡大、雇用創出を期待され産業基盤整備された特別地域のことです。