マレーシア
1.地理、気候
マレーシアは連邦立憲君主制国家で、イギリス連邦加盟国である。(このイギリス連邦とは、かつてのイギリス帝国が前身となって発足した、イギリスとその植民地からなる緩やかな集合体のことである。)
東南アジアのマレー半島南部とボルネオ島北部を領域としています。マレー半島ではタイ、ボルネオ島ではインドネシアとブルネイの3国と陸上の国境で隣接しています。
首都はクアラルンプールで、東南アジア有数の世界都市です。クアラルンプールはマレーシア語で「泥が合流する場所」という意味があり、ちょうどゴンバック川とクラン川が合流している場所にあります。
マレーシアの気候は熱帯雨林気候に属しており1年を通して高温多湿で降水量も多いです。年間の日中平均気温は27度~33度で一年中真夏のような気候が特徴です。季節は雨期と乾期に分かれており、マレー半島の東海岸と西海岸、またボルネオ島でも異なります。
2.人種、人口
マレーシアは世界でも民族構成が複雑な國の一つであり多民族国家となっています。三つの主要民族と地域の歴史が複雑に入り交じっています。その主要民族とはマレー系・華人系(華僑)・インド系(印僑)となります。(人口比順)
華僑系の住民の多くはもともとイギリス統治下の時代に奴隷的な立場で連れてこられた子孫が多い。印僑系は南インド(タミール)出身者が多く、マレーシアにおけるインド文化はタミール人の風習を色濃く受け継いでいる。
人口は2933万人で公用語はマレーシア語である。
3.歴史
紀元前後にはマレー半島を港湾の中心とした国家が形成され始めました。7世紀半ばには東西交易が活発になり、中国南部からマラッカ海峡を通過しインドやアラビア半島へと向かう海のシルクロードが形成されました。
10世紀前後にはスリヴィジャヤ王国がスマトラ、マレー半島、ジャワ一帯を治めたことにより、マラッカ海峡貿易を基盤とする大海洋国家として繁栄します。そして15世紀にマレー半島南部で成立したマラッカ王国は香辛料を中心とした東西貿易によりポルトガルに支配される1511年まで急速に発展しました。そして約1世紀の間、ポルトガルに支配されました。1641年にはオランダが占領し、錫の利権や香辛料などの貿易を独占的に扱いました。1824年にはオランダからイギリスの支配へと変わりました。
その後、1941年の日本軍によるマレー半島への侵攻、3年間の占領。第二次世界大戦などを経て、1963年にシンガポールやその他のイギリス領を加えてマレーシアが建国されました。しかし、1965年にはシンガポールがマレーシアから脱退し分離独立しました。
4.経済、産業
マレーシアのGDPは3,124億ドルで、1人当たりのGDPは10,548ドルです。1人当たりのGDPが世界平均10,000ドル以上という数値は東南アジアではシンガポールとマレーシアのみとなります。イギリス植民地時代から続くゴムのプランテーションや錫の採掘、天然ガスの掘削など農作物や鉱物の生産が盛んとなっています。
多くの東南アジア諸国は長い植民地支配の影響や社会主義での失敗などによって工業化が進んでいません。しかし、その中でもマレーシアは日本を手本に工業化と経済成長を達成しました。そのことからシンガポールと共に『東南アジアの優等生』と呼ばれています。
5.マレーシア人気質
全ての人がどうだとは言いませんが、東南アジアだけでなく温かい国の人たちは時間にルーズで悪そびれることなく待ち合わせに遅れてくることがあります。子供やお年寄りに優しく知らない人同士でも挨拶を交わしたり、優しく手を差し伸べたりしています。また、せかせかとしている様子はなく、のんびりとして温厚な人が多いように思います。
6.食文化
イスラム国家ではあるものの、華人や外国人は飲酒や豚肉を食べることが可能で職に関する自由度は高いと言っていいと思います。
民族が入り交じっていることから、食文化も例外ではなく、異文化交流から発達した料理も存在します。その中でも人気が高いのが中華系移民から発祥したといわれるバクテー(肉骨茶)である。
マレーシアは南国なので目にする果物は非常に多い物のほとんどは輸入もので自給作物ではありません。