タイ王国について

タイ王国

 

1. 地理、気候

 タイは、インドシナ半島の中央部にあり、南北1,600km、東西800kmに広がっています。北部はラオス、東部はカンボジア、西部はミャンマー、南部はマレーシアに接しています。

 大きく4つの異なる特徴があります。北部は山岳地帯で、タイ最高峰のドーイインタノンがあります。東北部は、雨量が少なく乾燥地帯です。そのため農作物も育ち難い地域です。中央平野にはチャオプラヤ川からできたチャオプラヤデルタがあり、豊かな平地です。稲作地帯になっています。南部は、マレー半島の1部になっています。ゴムの木畑や錫の採掘で知られています。

タイ北部中部の気候は、大きく分けて乾季と暑季、そして雨季があります。乾季は11月~2月です。雨も降らず、気温もそれほど上がらないので1年でもっとも過ごしやすい季節です。その後3月~5月が暑季になります。その中でも暑いのは4月です。5月中旬から10月ころにかけて雨季になります。空気が湿り、なま暖かく、スコールの雨が降るようになります。以前は、叩きつけるような雨が降りましたが、近年異常気象の影響や、都市化によってそれほどの激しい雨ではなくなってきました。

タイ南部の半島部東海岸は年間を通じて降水量が多く、気温も高い地域です。

 

 

2. 人種、人口

 タイ族がタイの75%を占めています。さらにここから4つの種族分けられます。北部には北部タイ族、東北部にはタイ・ラオ族、南 部にはパク・タイ族、そして中部には中央部タイ族に分かれています。彼らには、それぞれに独特の文化や方言があります。

華人がタイの15%を占めています。残り10%が、カンボジアの国境近くに住んでいるクメール族や、南部のパッタニー地方に住んでいるマレー族がいます。

タイ族とマレー族の間には、根深い対立があり、上座部仏教のタイ族とイスラム教のマレー族の間でテロが繰り返されています。

 

 

3. 歴史

 もともとモン族や、クメール人がインドシナ半島に先住していました。タイ族は中国華南に住んでおり、そこから南下してきました。13世紀にスコータイ王朝が、モン族やアンコール王朝の支配を退けて、小タイ族の最初の国家ができます。タイ文字が完成したのは、同王朝の3代目ラームカムヘーン大王の時代であると言われています。

 その後、アユタヤー王朝、トンブリー王朝、現在の王朝であるチャクリー王朝へと変遷していきます。現王朝の初代王のラーマ1世は、1782年に首都をトンブリーからバンコクに移したために、バンコク王朝とも呼ばれています。

 太平洋戦争時に、日本軍はタイへ進駐し、タイは表向きは日本と同盟を結び戦いました。しかし一方で、タイには連合国と協力する勢力も存在し、連合国と連絡を取っており、二重外交をしていました。1945年にタイは、1940年以降に獲得した領地を返還することでイギリスとアメリカとの間で講和することができ、降伏や占領を免れました。

第二次世界大戦後の東西冷戦期には、近隣諸国のベトナムやカンボジア、ラオスが共産主義化していく中、アメリカはタイを共産主義の防波堤として支援し、共産主義化はしませんでした。

 

 

4. 経済、産業

 タイの農業の分野では米の生産が多く、世界の米市場の中でも、主要な輸出国の1つになっています。また、他の農産物としては、タピオカ、天然ゴム、穀物、砂糖なども多く生産されている。タイ北部ではブラック・アイボリー・コーヒーが多く生産されている。この他パイナップルなどの加工食品の輸出や、エビ養殖の加工品の輸出なども行っています。

 タイでは教育に力を入れた結果、1980年代以降には、教育程度の高さと賃金の安さ、そして中流階級の増大による国内市場の拡大に着目した日本や欧米諸国の企業の工場の進出が目立っています。さらには、関税特典があるASEAN諸国内への輸出拠点として活用されています。特に、日本からは自動車関連企業が多く進出しています。

 

 

5. タイ人の気質

 タイ人の人柄は、おおらかで細かい事は気にしない人達として知られます。よく「マイペンライ」と言っているのを聞きますが、「気にしない」という意味です。また干渉したりされたりする事を嫌がります。ある面、無責任と見られがちではありますが、慈悲深かったり、家族を大切にする姿勢は今でも見られます。

 

 

6. 食文化

 主食は米で、インディカ種でタイ米と呼ばれているものが主に食されています。麺類は、軽食というイメージがあります。肉は豚肉、鶏肉、アヒル肉、水牛肉がよく食べられていて、牛肉は少なめです。色んな料理に、ブリッキーヌという小粒の唐辛子が使われ、とても辛い料理になるのが特徴です。

 有名なタイ料理として、エビなどが入った酸味のある辛いスープの「トムヤムクン」。青いパパイヤの繊切りを他の具や調味料とを叩いて混ぜた「ソムタム」。クイティウを、えびやもやしと炒めた「パッタイ」。タイ式鍋料理の「タイスキ」などがあります。