タイ外国人就労法(総論)

タイでは、日本人を含めたタイ国籍を持たない外国人の労働に関する法律があります。その法律は、ラオス・カンボジア・ミャンマーなどからの単純労働者の就労について規定する外国人雇用法と、一般労働者の就労について規定された外国人就労法の2つです。ここでは外国人労働法と呼ばれることもある一般労働者向けの外国人就労法について解説致します。

 

■外国人就労法と関連法律の日本語全文訳リスト
外国人就労法(2008年)
外国人就労禁止職業を定める勅令(2009年) *14ページ
外国人の労働許可書申請、交付、届出についての省令(2011年)
*上記の各法律・法令は、JETROのウェブサイトへリンクしていますので、ご参照ください。

 

 

はじめに

 

外国人就労法は、2008年2月22日に官報公示され、翌日より施行されました。これにより、1978年より施行されていた外国人労働法LLF00令は廃止されました。
外国人就労法は、冒頭部分(第1条〜第6条)・全6章(第7条〜第56条)、経過規定(57条〜第60条)から構成されています。全6章は、「第1章 外国人労働」、「第2章 外国人送還基金」、「第3章 外国人労働審査委員会」、「第4章 外国人労働不服申し立て審査委員会」、「第5章 監督」、「第6章 罰則」となっています。

 

冒頭(第1条〜第6条)

 

便宜上『冒頭』と記載しておりますが、この部分に表題はつけられておりません。
第1条から第6条で構成されており、第1条から第5条で法令の名称、施行日、旧法令(外国人労働法令)の廃止、法令の適用に該当しない外国人の定義、法令における用語解説、労働大臣の権限が記載されています。第6条で労働許可書などの手数料レートを上回らないように手数料を定めることが明記されています。

 

*手数料レート(法定上限)
[注意]手数料は勤務地など考慮して異なった手数料を定めることが出来るため、この手数料レートは法令で定めた上限額となります。そのため、実際のレートは地域によって異なります。

①労働許可書 1部 20,000THBを超えない
②労働許可書期限延長 1回 20,000THBを超えない
③労働許可書の代用書 1部 3,000THBを超えない
④許可労働形態・使用者・勤務地、許可要件の変更または付加 1回 5,000THBを超えない
⑤職能工または熟練者ではない外国人雇用 1件 10,000THBを超えない
⑥申請書 1部 1,000THBを超えない

 

第1章 外国人労働(第7条〜第28条)

 

第1章は、全2節から構成されており、第1節 総則(第7条〜第8条)と第2節 労働許可書(第9条〜第28条)に分かれています。
第1節では、外国人が働くことが出来る業種やエリアがあることが述べられており、また働く際に国が雇用手数料を徴収できることが記されています。
第2節の第9条から第13条では労働許可書がないと働けないことが述べられ、また隣接国に居住し国籍を有するものについての例外が定義されています。第14条から第20条では労働許可書を取得し就労する外国人が納付しないといけない外国人送還基金について定義されています。第21条から第28条では労働許可書の期限や継続・更新について規定されています。

 

第2章 外国人送還基金(第29条〜第40条)

 

第29条で外国人送還基金の定義がされています。第30条から第40条では、この基金を運営するにあたっての定義や規定がされています。

 

第3章 外国人労働審査委員会(第41条〜第44条)

 

第41条では、外国人労働審査委員会の構成について記載されており、第42条では委員会の権限義務が定義されています。第43条や第44条では委員会運営について定義されています。

 

第4章 外国人労働不服申し立て審査委員会(第45条〜第47条)

 

第45条から第47条で外国人労働不服申し立て審査委員会の定義や規定について記載されています。

 

第5章 監督(第48条〜第50条)

 

第48条から第50条では、外国人労働者を監督する機関が有する権限や職務遂行に関する規定がされています。

 

第6章 罰則(第51条〜第56条)

 

第51条から第56条で、この外国人就労法に違反したものへの罰則や罰金が規定されています。

 

経過規定(第57条〜第60条)

 

第57条では、第7条で定義されていた外国人が就労可能な業種について捕捉されることが説明されています。第58条から第60条では今後改定捕捉された際のこの法令の有効期限が定義されています。

 

2009年 外国人禁止職業を定める勅令

この法令では、外国人が就労することが出来ない業種についてリスト化されています。
01.単純肉体労働
02.農業、農業、畜産業、林業、または漁業(ただし専門職、農場管理、海洋漁業船舶における単純肉体労働を除く)
03.レンガ積み、大工、その他の建設作業
04.木彫り
05.輸送機械の運転、または機械、機器を使わない乗り物の運転(ただし国際間の航空機操縦を除く)
06.店頭販売
07.競売
08.会計の管理、監査、サービス(ただし断続的な内部監査を除く)
09.ダイアモンドまたは宝石の研磨
10.理髪、美容
11.手作業による織布
12.茣蓙織り、またはイグサ、籐、アサ、藁、竹皮の加工用品製作
13.手作りのサーペーパー作り
14.漆器作り
15.タイ楽器作り
16.ニエロ細工
17.金、銀、ナーク細工
18.象眼細工
19.タイ人形製作
20.敷き布団・掛け布団の製作
21.バート[金属鉢]製作
22.手作りの絹製品製作
23.仏像製作
24.ナイフ・包丁製作
25.紙製または布製傘製作
26.製靴
27.帽子製作
28.ブローカー業、またはエージェント業(ただし国際貿易事業におけるブローカー、エージェント業を除く)
29.設計、計算、研究、システム構築、プロジェクト計画、検査、建築、管理、または助言に関係する土木工学分野のエンジニアリング業。(ただし特別な専門性のあるものは除く)
30.設計、図面作成、価格見積もり、建築監督、または助言に関する建築士業。
31.装身具製作
32.陶磁器作り
33.煙草の手巻き
34.旅行ガイド、ツアー主催業
35.行商
36.タイ活字配列
37.手による生糸の巻き取り
38.事務員または書記員
39.法律または訴訟におけるサービス。ただし以下を除く
(a)調停任務遂行
(b)その調停による審理で争点に適用する法律がタイの法律でない場合、またはタイ王国内においてその調停の決定の執行を求める必要のない場合、調停段階における原被告に代わっての弁護。

 

2011年 外国人の労働許可書申請、交付、届出についての省令

この法令によって、外国人の労働許可書申請について定義がされています。詳しくは別記事「タイの労働許可証(ワークパーミット)と必要書類」を参照してください。

 

*2017年9月18日最終更新

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