ベトナム労働法:労働時間・有給休暇・残業

労働時間は、「ベトナム改正労働法 第7章 勤務時間、休憩時間」及び「労働時間・休憩時間および労働安全・労働衛生に関する労働法の 一部条項を詳細に規定する政令 第45/2013/NĐ-CP 号(以下、政令45号)」(リンク先はJETROサイト)によって、労働時間と休憩時間の規定されています。

この政令によって、労働時間に関する規定はベトナム人労働者だけでなくベトナムで働く外国人も適用対象者であることが定義されています。

 

労働時間

労働時間は1日あたり8時間となっており、週間では48時間と規定されています。
しかし、週間労働時間48時間を越えなければ1日10時間まで労働時間を設定することが出来ます。(ベトナム改正労働法 第7章 勤務時間、休憩時間 第1節 勤務時間 第104条 通常の勤務時間)

 

深夜勤務時間

夜10時から翌朝6時と規定されています。
(ベトナム改正労働法 第7章 勤務時間、休憩時間 第1節 勤務時間 第105条 深夜勤務時間)

深夜勤務時間の賃金
深夜労働の場合は、通常賃金の30%を割増すこと。
(ベトナム改正労働法 第6章 賃金 第97条 時間外労働、深夜労働の賃金)

時間外労働(残業)

1日当たりの通常勤務時間の50%までとなります。
週当たり勤務時間の規定を適用している場合は、通常勤務時間と時間外労働時間の総時間数が12時間までとなります。また1ヶ月で30時間、1年で200時間までとなります。但し、政府が規定する特別な場合は、1年で300 時間を超えない時間外労働が認められています。
(ベトナム改正労働法 第7章 勤務時間、休憩時間 第1節 勤務時間 第106条時間外労働)

 

時間外労働の賃金
-通常勤務日の時間外労働の場合は、通常賃金の150%
-週休日の時間外労働(休日出勤)の場合は、通常賃金の200%
-祝日または有給休暇の時間外労働の場合は、通常賃金の300%
(ベトナム改正労働法 第6章 賃金 第97条 時間外労働、深夜労働の賃金)

 

年間200時間以上から300時間までの残業が可能な業種
ベトナム改正労働法 第7章 勤務時間、休憩時間 第1節 勤務時間第107条 特別な場合の時間外労働では、年間200時間以上300時間までの時間外労働が認められているのは、国防・安全保障上の緊急事態において国防・安全保障上の任務遂行のため動員令を履行する場合と、自然災害・火災・疫病および大惨事の防止および被害克服において、人命、機関・組織・個人の財産を守るために必要な業務を履行する場合と規定されていました。しかし、政令45号の第2章 労働時間・休憩時間 第1節 労働時間 第4条 残業において、中央政府直轄省・都市の人民委員会(以下、省レベル人民 委員会と称す)の労働者管理支援専門機関に書面で通知すれば、年間200時間以上から300時間までの残業が可能な業種が明記されています。

-繊維品、衣料品、皮革、靴の生産・輸出用の加工、農産物・林産物・水産物の加工
-電力の生産・供給、通信、石油精製、給排水
-緊急で遅延できない作業に対処するその他の場合

 

*時間外労働や夜間勤務は、妊娠7ヶ月以上の妊婦や12ヶ月未満の子供を養育する女性労働者においては従事することが出来ません。
(ベトナム改正労働法 第10章 女性の被雇用者に関する特別規定 第155条 妊婦である女性の被雇用者の保護)

休憩時間

①休憩時間
休憩時間は、1日8時間もしくは連続6時間の勤務につき30分以上、深夜勤務の場合は45分以上で、いずれも有給労働時間として計算されます。
(ベトナム改正労働法 第7章 勤務時間、休憩時間 第2節 休憩時間 第108条 勤務中の休憩時間)
残業時間を含めて1日10時間以上働いている場合はさらに最低30分以上の休憩が必要で、この休憩も有給労働時間として計算されます。
(政令45号 第2章 労働時間・休憩時間 第2節 休憩時間 第5条 労働時間中の休憩)

 

政令45号で定義されている有給労働時間とは
①労働時間中の休憩時間
②仕事の性質に従って休憩する時間
③人間の自然な生理的欲求のために必要な休憩時間
④12ヶ月以下の子供を育てる女性労働者の場合、1日あたり60分の休憩時間
⑤月経中の女性労働者の場合、1日あたり30分の休憩時間
⑥労働者の責任によらない作業休止時間
⑦労働安全・衛生の学習・訓練時間
⑧雇用者の要求による会議時間、学習時間、教育への参加時間または雇用者に同意された時間
⑨労働組合に関する法律の規定に基づき、労働組合の担当者を招集した会議時間、学習時間、訓練参加時間
⑩高齢労働者の最後の年に1日あたり最低1時間短縮される労働時間
(政令45号 第2章 労働時間・休憩時間 第1節 労働時間 第3条 有給労働時間として認められる時間)

 

②週休
24時間 *月に4日
(ベトナム改正労働法 第7章 勤務時間、休憩時間 第2節 休憩時間 第110条 週休)

 

③年次有給休暇
12日
-雇用者の合意があれば最大3年分をまとめて1回に取得することが出来ます。
-勤務12ヶ月未満の場合は、労働期間に比例して算定されます。
-未消化の有給休暇は賃金として清算することが出来ます。
(ベトナム改正労働法 第7章 勤務時間、休憩時間 第2節 休憩時間 第111条 年次有給休暇)

 

勤務12ヶ月未満の場合の年次有給休暇日数の計算方法
年次有給休暇日数(12日)に年功などで増加する休憩日数(もしあれば)に加え、12ヶ月で割り、年間の実際の勤務月数とかけて、年次休憩日数を計算します。その計算結果が小数点以下が0.5以上であれば1の単位に切り上げます。
(政令45号 第2章 労働時間・休憩時間 第2節 休憩時間 第7条 1 年未満勤務の場合の年次休暇日数の計算方法)

 

④年次有給休暇の増加
5年ごとに1日
(ベトナム改正労働法 第7章 勤務時間、休憩時間 第2節 休憩時間 第112条 勤務年数に応じた年次有給休暇日の増加)

 

⑤祝日
年10日
-1月1日
-旧正月(テト)の5日間
-4月30日(戦勝記念日)
-5月1日(メーデー)
-9月2日(建国記念日)
-旧暦3月10日(フン王忌日)
(ベトナム改正労働法 第7章 勤務時間、休憩時間 第3節 祝日、私的な休暇、無給休暇 第115条 祝日、正月休み)

 

⑥私的な有給休暇
-結婚 3日
-子供の結婚 1日
-父母・義理の父母・子供の死亡 3日

 

⑦私的な無給休暇
祖父母・兄弟姉妹の死亡、父もしくは母の結婚、兄弟姉妹の結婚に対して1日(但し、雇用者に通告する必要あり)

 

*2017年10月3日最終更新

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